The Pillar




Photo by Koida Ryu


倒れた木を起こし、地面に突き立て、草の根のようなものを巻きつけて、みすぼらしい小さな空間を棲み処とし、風雨と寒さをしのいだ。
それは、およそ三百万年前のことだ。
人がとどまる場所を「空間」と呼ぶ。
その空間をつくることが「建築」になる。
では、空間はどのようにして生まれるのだろうか。
私たちにとってあまりにも当たり前のもの。
巨大なコンクリートの箱の小さな入口から入り、階段を上り下りする。
雑多なもの、目的に合わせて置かれた家具や設備、そしてそこに暮らす人々。
しかし彼らは気づいていない。
この空間は、いかにして存在しているのか。
私は、華やかな外装の裏で、黙々と何十、何百トンもの重さを支えている柱たちに、スポットライトを当てたいと思った。
何も置かれていない「空」の空間の、本当の主人公が誰なのかを、人々に見せたかった。
とりわけ、建築家を志す人々にこそ。
反射した光があちこちでぶつかり、折れ曲がりながら、ようやく空間の姿が現れ始める。
私は、その堂々たる姿に、深い敬意を捧げる。
